1. 『赤・緑』発売前後のファミマガ
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「ファミリーコンピュータMagazine」1996年6月28日号→田尻&杉森インタビュー
2. その他のポケモンのゲーム関連記事
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「ファミ通」1996年6月28日号→忍者増田&高橋ピョン太のレビュー&対談
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「ゲーム会議」Vol.9→ゲームフリークスタッフの座談会&田尻インタビュー
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「ファミ通」2019年5月23日号→ゲームフリーク設立30周年記念特集
※ 番外編(ゲーム内の家から出られない杉森氏の父親について)
「The 64 DREAM」2000年2月号
「Nintendo DREAM」Vol.84(2003年2月21日・3月6日合併号)
はじめに
ゲームボーイ用ソフトとして発売された『ポケットモンスター 赤・緑』発売前後の
「ファミリーコンピュータMagazine」(「ファミマガ」という略称をページ内では以下使用)
に掲載されたゲーム雑誌の記事を中心にこのページでは主に扱ってます。
テレビアニメの放送が開始され、ブームが過熱した97年前後の「コロコロコミック」の記事も一部扱っていて、
コロコロコミック公式サイト
(コロコロで平成31年分の歴史を振り返り! 時代を刻み込んだ企画ページ大紹介!!
〜平成8年編〜 | コロコロオンライン)で、96年のポケモン関連記事の誌面が一部確認できます。
(メモ:リンク先の記事内では96年3月号が最初と書いてあるが、前月の2月号に最初の紹介記事が掲載) 『赤・緑』発売当時の「ファミマガ」とセレクトバグ
初代ポケモン発売当時の「ファミマガ」に興味を持ったのは、
かけるさんの一連のツイート(2018年5月4日)を見たのがきっかけで、
「コロコロコミック」96年5月号のミュウの読者プレゼント以前にプレイヤーがミュウを入手した方法として、
「ファミマガ」のウル技コーナーにヒントがあるかもしれないと予想。 関連リンク
HIWASA Kouichiさんのポケモン履歴書のページ |
12月21日発売予定と記載された紹介記事。(実際は翌1996年2月27日に延期)
ゲームの目的、通信交換、ニックネームを付けられるなどの説明文に加え、
ヒトカゲが進化して最終的にリザードンになることが分かるイラストも掲載されている。
(発売前のカラー広告などは、他誌含めこの時期前後にあると思うので、興味がある人は各々チェック)
公式イラストで大きく誌面を彩り、2月27日発売予定と記載された発売前の特集記事。
前年の95年12月15日号で触れた内容に加え、戦闘・捕獲についてやジムリーダーについて記事内で紹介されている。
※ 隔週で発行されたファミマガの場合、96年3月8日号の発売日は2月23日
ファミマガを始めとするこの時期のゲーム雑誌の多くが、誌面映えする据え置き型用ソフトの情報を主に扱っているが、
ゲームボーイの新作RPGソフトである『ポケモン』が4ページも特集が組まれるのは異例の扱いに思われる。
紹介記事、読者のレビューと週間売上ランキング、ウル技などの情報が掲載された号で、以下の通り。
タイプ相性表と最初の3匹+ゲーム中盤までに捕まえられるポケモン45匹の特徴が掲載され、
ポケモンの特徴欄には、"とくしゅ"を除いた種族値が確認でき、タイプが何故か1つしか表記されていない。
(例を挙げると、フシギダネの場合はくさ単体で、オニスズメはノーマルのみという表記)
開発者側のこだわりに着眼した「それぞれポケモンに鳴き声があるのにはびっくりした。」というレビューがあり、
ランキングの方では、出荷本数の問題による人気の赤と売り上げの緑という現象について触れられている。
(もちろんGB部門1位)
通信交換の際に特定のタイミングでゲームボーイ等の電源を切って、ポケモンを増やす裏技を扱った記事。
戦闘中にある操作をすることで、他のポケモンに経験値を分け与えることができる裏技を紹介した記事。
戦闘中にある操作をすることで、技の使用回数(PP)を増やすことができる裏技を紹介した記事。
また、同じページ内には裏技ではないが、ハナダ北西の洞窟に入る方法についての情報も掲載。
「ゲームボーイの逆襲!」のコーナーより、田尻智と杉森建が2人揃ってインタビューを受けた記事。
記事冒頭は小見出しで、"『ポケモン』ってどんなゲーム?"とあって、まずは簡単な紹介から入り、
メインのインタビューでは、ポケモン開発ストーリーや続編の意気込みについて田尻が主に話している。
※ 杉森もインタビューに参加しているが、記事内で確認できる発言回数がとても少ないことからか、
「杉森氏はもの静かで、田尻氏の発言を温かく見守るような場面が多かった」という編集部コメントを確認。
「ゲームボーイの逆襲」のコーナーで、開発中の『ポケモン2』の情報が掲載された記事。
編集部からの質問を田尻がファックスで回答するという方法で、以下の質問にそれぞれ回答している。
通常のプレイでは入手できない幻のポケモン「ミュウ」の読者プレゼントが行われた有名な記事。
『ポケモン・ストーリー』(206ページ)によると、20名という狭き門に対し、78,000通の応募ハガキが届き、
仕掛け人である久保雅一ら関係者が、今後のポケモンの可能性に手応えを掴んだターニングポイントとなった。
また、ミュウに関する情報(タイプや分類など)以外にも、カビゴンやストライク、ラッキーなど、
捕まえるのが難しいとされるポケモンの捕獲法に関する情報も読者に届けている。
「ソフトウェア インプレッション」のコーナーで、ポケモン発売から3か月が経過して紹介された記事。
当時、ファミ通の編集者だった忍者増田とファミ通の兄弟誌であるログインの編集長の高橋ピョン太の二人が、
それぞれ1ページずつポケモンの面白さを紹介し、レビュー以外に両者の対談コーナーも設けられている。
以下、両者のレビューと対談の様子を簡単にまとめた。
当時、脚光を浴びていた次世代機よりも、どこでも遊べるゲームボーイを忍者増田氏は愛していて、
自身が過去にウィザードリィに夢中になっていたことから、ポケモンにおける収集要素の面で、
ウィザードリィのアイテム収集の楽しさと同じ共通点などを見出している点は特筆に値する。
拙者・ござる・ニンをはじめに、ペンネームに因んだ独特の言葉遣いも特徴で、
プロフィール欄でも、"忍者増田(『ウィズ外伝』もグーよ)"とウィザードリィを宣伝し、
「ウィズの伝道師」としての役割をいかんなく発揮している。
パソコン情報誌「ログイン」の編集長だけあって、ゲーム内に登場するパソコンのネットワーク性を評価し、
飼っている猫の名前をポケモンに名づけたり、電池に関するありがちなエピソードを披露している。
上記の両氏のレビューが掲載されたページ下にポケモンについて語る対談が掲載。
ここでもウィザードリィを引き合いに収集要素の魅力などポケモン談議に両者は花を咲かせ、
高橋ピョン太氏が対談の冒頭と終盤でわざとゲームに関するウソをつく場面もあり、
制作者らが望むであろうポケモンを介して生まれるゲームの外側のコミュニケーションの具体例かもしれない。
2017/5/15、Red Bull、テキスト
いまだからこそあえて語る『ポケットモンスター』本編の魅力
ポケモン集めとウィザードリィのアイテム集めの共通性について触れた忍者増田氏が執筆した記事
※ YouTubeチャンネル「レトロゲームで遊ぼう!」で公開されている
高橋ピョン太と忍者増田が語る雑談トーク番組「ログプラスワン」(再生リスト)より関連動画を紹介。
2021/7/4(第9回)、
ポケモンがゲームボーイの窮地を救った!?
動画の2分43秒頃から「ファミ通」でレビュー記事を書いたことについて語っている
2021/8/4(第14回)、
ピカチュウとウィザードリィと白土三平と!?(ポケモン番外編)
動画の4分2秒頃から両作の共通点について忍者増田氏が語っている
※ ウィザードリィ関連の対談を最後に抜粋
ウィザードリィとザ・ブラックオニキス(第6回)
ウィザードリィ・外伝(ゲームボーイ版)(第7回)
忍者増田が考えるウィザードリィの4つの魅力(第8回)
『ウィザードリィ外伝T』の通信機能に触れた雑誌記事について
関連書籍『忍者増田のレトロゲーム忍法帖』を紹介した箇所へ
まず、目につくのは伝説のポケモン「ホウオウ」のイラストで、『ポケモン2』の制作がスタートしたことに加え、
新作についての編集部からの質問に対して、田尻が回答したことをまとめた情報が掲載されている。
また、『ポケモン2』制作を記念して、96年5月号に続いて「ミュウ」が100名限定で読者にプレゼントされる企画や、
ページ左下には「ゲームボーイポケット」の発売に合わせて発売されるソフトに関する情報も掲載されている。
(そのソフトとは、『モグラ〜二ャ』と『ボンバーマンコレクション』の2つ)
『ポケモン2』で新たに登場するポケモンであるヤドキングやドンファン、デンリュウの紹介、
始まりの町「サイレントヒルズ」、古い町並みの「オールドシティ」のマップ画面が掲載され、
97年5月発売の『ポケットモンスター 公式ファンブック』(Amazon)で紹介された情報とほぼ一緒だが、
『ポケモン2』が「金・銀」の2つのバージョンで発売されることがコロコロの記事から確認できる。
ポケモンを特集した企画で、ゲームフリークの開発スタッフの座談会や田尻氏へのインタビューをはじめに、
ネット上のポケモンの情報を扱ったサイトについて、通信システムについて触れたコラムなど内容盛りだくさんで、
それぞれの詳細は以下の通り。
サイト内リンク:田尻さんのインタビュー記事
ゲームフリークの杉森建、森本茂樹、増田順一、太田健程の4名による座談会を構成した記事。
中古の『ポケモン』のソフトを買うのが社内で当時流行っていて、
田尻社長が最初に買ったのがきっかけであることを森本氏が語っていて、
ちなみに、森本氏はニョロモやマンキーのデザインを手掛けたことも同取材で明かしている。
※ 加筆修正予定
任天堂やゲームフリーク、ポケモンカードの公式サイトと共に、ファンが作った個人サイトも紹介した記事。
紹介された3つのファンサイトは現存してないものの、サイトの一部がアーカイブとして残っているので、
ポケモンブームを知らない人(筆者もその一人)にとっても当時の雰囲気を知るうえで貴重な存在。
メモ:1997年に小学館から発行された文庫本
『ポケモンの秘密』(Amazon)の66〜69ページでもファンサイトを紹介
読み物:
「インターネットにおけるポケモンサイト黎明期の記憶」(かけるのページ)
同号はデータトレードゲーム特集ということから、ポケモン以外にも様々なゲームが紹介されていて、
同誌で連載されていた田村環のコラム(第9回)では「通信ゲームとネットワークゲーム」というタイトルで、
ポケモンの交換時に通信ケーブルを使用した際の通信処理について分かりやすく解説している。
プロデューサーの石恒恒和氏からのお話という形式で、金・銀の発売延期のお詫びと共に、
映画『ミュウツーの逆襲』の公開にあわせて、ピカチュウ版を発売する予定であることを報じた記事。
『ピカチュウ げんきでちゅう』(仮称)のゲーム画面が2ページ公開され、
開発中の64DD版(ハードの発売延期と共に発売中止に)とGB版の今後の通信についても田尻氏がコメントを寄せている。
読者代表兼インタビュアーとして女優の裕木奈江との対談(全6ページ!)を行い、
原作者自らが語るゲーム内の設定裏話を多数披露し、
続編である『ポケモン2』の制作が始まったきっかけについて、
本取材に同行していた任天堂の広報の本郷好尾氏から提案されたことを明かしている。
※ 加筆修正予定
前回に続いて田尻×裕木の対談が1ページ掲載。
見出しにポケモンとあるが、昔のアーケードゲームの話で全編構成されている。
まだ「ファミリーコンピュータマガジン」だった頃に「ゲーセン天国」というコラムを連載していたことに触れている。
田尻と石原に加え、任天堂の宮本茂が取材に応じた『ピカチュウ版』の発売に関する記事。
「ピカチュウのサマービーチ」のゲーム画面が誌面で大きく取りあげられている。
これまでの「赤・緑・青」との違いや、「ポケットプリンタ」への対応について触れられ、
映画が公開される夏休み頃の発売を目指している旨を3人の開発関係者から聞き出している。
『金・銀』発売を記念して、ゲームフリークの増田順一と松島賢二がインタビューを受けている。
※ ページ全体の3分の2をゲームの紹介に割き、残り3分の1をインタビューで構成
今回の開発中に登場した新商品(下記のリンク先は任天堂公式HP)への対応に苦労させられた点や、
『金・銀』と同日に発売されてゲームボーイカラーの赤外線通信に対応した
「ポケットピカチュウカラー」の開発に協力したことに触れている。
※
スーパーゲームボーイ2(98年1月)
ゲームボーイカラー(98年10月)
インタビュー後半では、新しく導入された時間システムと戦闘中のサウンドのテンポの変化についてや、
野性のポケモンと出会った時のエフェクトのバリエーション等、アニメの主人公サトシの決め台詞である
「ポケモン、ゲットだぜ!」をゲーム内で使用しないことをスタッフ内で徹底するという裏話を明かしている。
『金・銀』発売後の開発者インタビュー記事。増田順一、森本茂樹、渡辺哲也、西野弘二の4名が参加。
メモ:杉森氏の父親が前作(初代)をプレイした時に家から出られなかったことを渡辺氏が話している(72〜73ページ)
増田 前作をやった人は、解くのも早いですね。 逆に、初めての人にとっては、難しいかなあというのがあるんですけど。
―― でも、初心者にはわかりやすい演出が多いと思いますよ。
渡辺 モンスターデザインをやっている杉森(建氏)が、 「前作を親父にやらしたんだけど、家から出られないようなんだ」って(笑)。 ですから、彼はずっと「もっとわかりやすくしたいなあ」と提言してきたんです。 だから、セレクトボタン一発で、釣りができたり自転車に乗れるようにしたのも、彼からの提案なんです。 『金・銀』のプレイヤーの対象が、ある程度、小さいお子さんになることも予想されていますし、 アニメから入ってくる人もいます。これらのゲーム慣れしていないプレイヤーを想定して、今回は親切設計にしようと。 メニュー画面を開いて、下に解説が出るようにしたのも、ディレクターの田尻(智氏)のほうから、 最終段階になって「入れて欲しい」という話があったからなんです。 ぼくらは、攻略本どころか、取説すら読まない人間ですから、自分たちがやっていて、 それらを見ないとゲームを進められないというのは、結構じれったいんですね。
※ 以下後略し、「親切設計」について、増田氏と森本氏もそれぞれ語っている。
『ルビー・サファイア』発売後の増田順一&杉森建のインタビュー記事。
メモ:「ルビー・サファイア」の部屋の出入口に矢印を入れることを求めた杉森氏の話は123ページ参照
―― ところで、杉森さんのお父さんは『ポケモン』をプレイできるようになったんですか?
杉森 いやなってないです。
―― 前回のインタビューで、部屋に入ったのはいいけど、出口がわからないで出られずにいるという話を聞きまして(笑)。
杉森 だから今回部屋の出口に矢印を入れることを強く要請したんです(笑)。
―― おおっ、すごい親孝行(笑)。
杉森 それで、できるようになったかはまだわかりませんけどね(笑)。
スペシャルサンクス:
ぴスイッチさんのツイート
読み物:
「初代ポケモンの難所について」(かけるのブログ)
「ゲームボーイ生誕25周年」を記念した特集の際の石原恒和のインタビュー記事。
参考:
ニンドリ公式サイトのバックナンバーのページ
※加筆修正予定
ポケモン20周年を記念して『赤・緑・青・ピカチュウ』のVC版が発売された際の石原恒和のインタビュー記事。
※加筆修正予定
ゲームフリーク特集が組まれ、記事詳細は以下の通り。
関連記事(ファミ通.com):
ゲームフリークが本日(4月26日)設立30周年!
『ポケットモンスター』を作った会社の歴史を作品年表と豆知識で総まとめ
内容 | ページ | 備考(メモ) |
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目次 | 68〜69 | ゲームフリークのロゴとピカチュウの画像あり |
プロローグ | 70〜71 | "良質な遊び"をキーワードに (公式サイト参照) |
ゲームフリークの軌跡(年表等) | 72〜77 | 遠藤雅伸、石原恒和、中川翔子によるお祝いコメント掲載 |
次世代クリエイター座談会 | 78〜81 | 大森滋、岩尾和昌、尾上将之、斉藤優史の4名が出席 |
増田順一インタビュー | 82〜86 | 「増田氏が語る、ゲームフリークが世界で通じる会社になるまで」(※見出し) |
開発中の新作ソフト紹介 | 87 | 『ソード・シールド』『GIGA WRECKER ALT.』『TOWN(仮題)』 |
ゲームフリーク Vol.1 | 88〜91 | 全13ページの内、5ページ分掲載 |
ゼビウス1000万点への解法 | 92〜95 | 難関のエリア16(最終面)を攻略した箇所を抜粋 |
『クインティ』設定資料集 | 96〜97 | 『田尻智 ポケモンを創った男』(太田出版)未収録の資料あり |
CUPSUEL MONSTERS企画書 | 98〜109 | 同上 |